ファイナンシャルプランナー(FP)を見極めるために

ファイナンシャルプランナー(FP)を見極めるために

FP(ファイナンシャルプランナー)と聞くと、「お金の専門家」という印象の一方で、「保険を売る人」というイメージを持つ方も少なくありません。実際、FPにはいくつかのタイプがあり、その立場や報酬の仕組みによって、提案の内容や目的が大きく異なります。・まずはその違いを理解することが、後悔しない相談の第一歩です。


■ FPには主に3つのタイプがあります

① 企業専属(所属型)FP

特定の保険会社や金融機関に所属し、自社の商品を中心に提案するタイプです。
【メリット 】自社商品の知識が深く、契約や手続きもスムーズ。相談料が無料な場合が多い。
【デメリット】提案が自社商品に偏りやすく、他社比較ができない。
→ 保険や投資を「その会社の商品で検討したい」と明確に決まっている人向け。


② 独立系(完全中立型)FP

どの企業にも属さず、相談料を主な収入源とするタイプです。・販売手数料を受け取らないため、比較的中立的な立場で提案ができます。
【メリット 】中立的な立場で、複数商品の比較や長期的な視点での提案が受けられる。
【デメリット】相談料が発生するため、コスト面での負担を感じる人もいる。
→ ライフプランを軸に、家計全体をしっかり相談したい人におすすめ。


③ 提携型(乗合)FP

複数の保険会社や金融機関と提携し、その中から最適と思われる商品を提案するタイプです。「無料相談」とされるケースが多く、相談しやすい印象を持たれがちですが、実際には商品販売による手数料が主な報酬源です。
【メリット 】複数社の商品を比較でき、相談料が無料な場合が多い。
【デメリット】収入が販売手数料に依存するため、提案が販売寄りになりやすい。
→ 保険や投資商品の内容を詳しく知りたい人には向いているが、「なんとなく相談してみようかな」という場合は注意が必要。無意識のうちに不要な契約へ誘導されるケースもあります。


■ FPを見極める3つのポイント

FPの「良し悪し」を見抜くのは簡単ではありません。・はっきりと質問するのが難しいと感じる方も多いと思いますので、次のような点に注意しながら話を聞いてみてください。

  1. 報酬の仕組みを自然に確認する
     「この相談は無料ですが、どのような形で運営されていますか?」・
     「もし契約に進んだ場合、どのような料金が発生しますか?」・
     といった聞き方で、無理なく確認できます。
  2. 提案の幅があるかを観察する
     特定の企業の商品だけを強く勧める場合は、専属型の可能性があります。・
     複数社の比較や、目的に応じた代替案を出してくれるかがポイントです。
  3. 相談の中心が“あなたの暮らし”になっているか
     商品の話ばかりでなく、家族構成・将来の計画・リスクへの考え方など、・
     生活ベースのヒアリングを丁寧に行ってくれるかが重要です。

■ 目的に合わせた選び方

・保険や投資を中心に考えたい人    →①企業専属FP or ③提携型FP
・将来設計や家計全体を見直したい人  →②独立系FP
・目的があいまいなまま相談したい人  →①企業専属FP と ③提携型FP は避けるべき

「なんとなく相談してみよう」という段階で、販売中心のFPを選ぶと、本来不要な契約をしてしまうリスクが高くなります。FP選びこそ、最初に“目的”を明確にしておくことが大切です。


■ 最後に

この記事は、特定のFPやサービスを推奨するものではありません。目的や状況に合ったFPを選ぶための参考情報としてご覧ください。あなたにとって「本当に信頼できるパートナー」を見つけることが、安心できる未来設計の第一歩になります。