
「老後の備えが必要」とわかっていても、何から始めればいいかわからない。そんな方がほとんどです。投資の勉強より、保険の見直しより、まず先にやるべきことがあります。それが「家計の把握」です。現状を知らないまま動いても、正しい判断はできません。
■ 家計管理の黄金ルール「80:20の法則」
最も重要視する家計管理の基本がこれです。
月の手取りの 80% で生活する
残りの 20% は貯蓄・投資へ。先に取り分けて、残りで生活する。
賞与(ボーナス)は 全額 貯蓄・投資へ
賞与は不安定な収入です。生活費に組み込まず、そのまま将来への資産に回す。
シンプルに見えますが、これを実行できている家庭は多くありません。なぜなら、今の家計がどうなっているか把握できていないから動けないのです。
■ なぜ賞与を生活費にしてはいけないのか
日本の給与所得者の平均年収は約460万円(国税庁・令和5年調査)。そのうち賞与は平均約71万円で、給与収入全体の約15%を占めます。ところがこの賞与、企業の業績や景気によって簡単に削減・廃止されます。
賞与を毎月の生活費の穴埋めに使っていると、賞与が減った年に家計が一気に苦しくなります。「ボーナスが入ったら旅行」「ボーナス払いでローン」という習慣がある方は、要注意です。
賞与は「もらえたらラッキー」な収入として扱う。生活水準を月収だけで完結させることが、安定した家計の土台になります。
■ まず「一段階目」:家計の現状を把握する
80:20の体制を作るために、最初にやることはただひとつ。今の家計の「地図」を描くことです。
下記の4項目を書き出すだけで構いません。アプリも家計簿も、最初は不要です。
月の手取り収入を確認する
給与明細の「差引支給額」が手取りです。配偶者がいる場合は合算してください。賞与は別で管理します。
固定費を書き出す
家賃・住宅ローン/光熱費/通信費/保険料/サブスクリプション。毎月必ず出ていくお金です。合計金額を出してください。
変動費をざっくり把握する
食費・日用品・外食・交通費・娯楽費など。直近3ヶ月の銀行明細やクレジットカード明細を見れば大まかにわかります。
現在の貯蓄額・投資額を確認する
毎月いくら貯まっているか。手取りの何%に相当するかを計算してみてください。ここが出発点になります。
■ 「把握」が先、「節約」は後
家計の見直しというと「節約しなければ」と思いがちですが、順序が逆です。現状を把握せずに節約しようとしても、どこを削ればいいかわかりません。まず数字を出す。それだけで、多くの方が「こんなに固定費があったのか」と気づきます。
家計の把握ができたら、次のステップは固定費の見直しです。変動費より固定費を削る方が、労力が少なく効果が大きい。次回はその具体的な方法をお伝えします。
▶ この記事のまとめ
- 月の手取りの80%で生活し、20%を貯蓄・投資に回す
- 賞与は不安定な収入のため、全額を貯蓄・投資に充てる
- まず「家計の現状把握」から。手取り・固定費・変動費・貯蓄額の4つを書き出す
- 節約より先に、把握が大切
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軟骨先生
2級FP技能士 / 独立系ファイナンシャルプランナー
会計事務所に所属し、法人会計・個人会計・法人労務など幅広い分野を担当。特定の金融機関や保険会社には属さない独立系FPとして、中立な立場からアドバイスを行います。まず大切にしているのは「家計の管理」をしっかり整えること。そこから始めることで、本当に必要なものが見えてきます。
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